an Undergraduate

はじめに

この記事は

eeic (東京大学工学部電気電子・電子情報工学科) Advent Calendar 2016 - Qiita

に向けて書いたものです。

さてB3の皆さんはそろそろ研究室配属の季節ですね。 B4以上の方にとっては懐かしく思い出されるかと思います。

研究室配属は、それまでともに学んできた電気系の仲間と別れ、 それぞれ別の道を歩き始める時。 大げさに言えば、その後の研究人生、あるいは企業でのキャリアの第一歩です。

後輩たちが悔いなき選択ができるよう役立ててほしいという建前と、 主に僕自身の経験と考えを一旦整理したいという欲求のため、 今回このような記事を書きました。

※どう考えてもQiitaにそぐわない記事なのではてなに書きました。

研究室を評価する

研究室選びにおいては、大きく2つの評価項目があると思う。

1.興味

そもそも自分はどの分野に興味があるのだろうか、と考える。 電情に所属し、デバイスや高電圧に全く興味がない人は、 弊研のことを調べたり選択肢に入れたりしないだろう、という話だ。

各研究室のテーマや研究内容は、 もらえる資料や研究室のHPを見ればだいたい詳しく書いてある。 あとは3号館1階にポスターが貼ってあるのでそれを見てもいいと思う。

「評価」という観点で考えるならば、 その研究室のテーマにどれくらいビビッと来るか、といったところか。 あるいは、自分はもともとこういうものに興味があって、 そこに向かう道としてちょうど良さそうだぞ、なんていうのも評価が高くなる。

2.環境

環境と一口に言っても色々ある。 机はもらえる?コアタイムはあるのか? テーマは虚空から降ってくるのか、それとも自分で見つけるのか? 研究室はチャラウェイオラツキなのかオタクなのか、どっちだ? そもそも研究室は本郷?浅野?柏?

調べたり、研究室見学に行ったりすれば、きっとすぐわかるだろう。

とはいえ実際に研究室に所属してみないと、研究環境なんてものはわからないから、 この項目は「評判」とも言いかえられるだろう。 その研究室に所属している先輩は、どんな研究室生活を送っているかのだろうか。

Twitterで「つらい」しか言わなかったり、 教授や先輩についての愚痴ばかり言っていたりしないだろうか。 逆に、何日も研究室に行かずバイトしたり遊んだりしてばかりの人もいるかもしれない。 この辺は電気系と情報系の研究室で違うと思うから、そのへんも加味して考えてほしい。

その人がつらいのは、研究がうまくいかないからなのだろうか。 それとも、先輩や教員といった環境に振り回されているからなのだろうか。 あるいは研究に関係する、あるいはそれ以外の、タスクに忙殺されているのだろうか。

もし接点がある先輩なら、ちょっと突っ込んで聞いてみるといいだろう。 「貴研に興味があるんですけど……」とリプライ話しかけてみたら、 大抵の場合は詳しく答えてくれるんじゃないだろうか。 縦断忘年会も、そういう意味では貴重な機会になる。

閑話:情報系と電気系:時間的拘束力

僕の所属は電気系の研究室で、大きな装置が一つあって、 そこにそれぞれのチームが計測系を取り付けていろいろ測る、みたいなスタイルで 研究が行われている。

装置を共有している研究室では、メンバー同士の予定を合わせて実験する必要があるため、 コアタイム(この時間帯は研究室にいること、となっている時間帯)がある場合もある。 分担で降ってくるタスクもそれなりにあるかもしれない。

一方、情報系だと、完全に個人作業の研究室もある。 1人が1つのテーマを持ち、自分のペースで開発を進めるから、 ミーティングがないとラボにも行かない、なんて人も見かける。

僕が知っている範囲の話で、もちろん研究室によって異なるとは思うが、 電気系のほうが時間的に拘束されるのではないだろうか。

研究室を検討する

あとは、評価をもとにどの研究室に志望を出すか検討するだけ。 ここでは、「興味」と「環境」のどちらを重視するか、それだけである。

  • B4の1年間なんて、修士の2年、博士の3年に比べたら微々たるものなので、環境を重視する。
  • 就職したいので、B4では楽がしたい。環境を重視する。
  • 俺は自分の興味を貫く。興味を重視する。

など、極端な例はこんなところだろうか。 まあその中間というか、「興味で絞って環境で順位をつける」とか、 その辺の人が多いのではないだろうか。

僕の場合の話

そもそも

僕は電気系に来た時点で、興味のある研究分野が定まっていた。 というかその分野に進みたいから電気系にやってきたのである。

そして研究室配属に際して、そんな僕が取れる選択肢は1つしかなかった。 当該分野の研究室は、現在僕が在籍している、この研究室しかなかったのである。

そう、僕の研究室選びは、戦う前に決着していたのだ。 〈完〉

というわけにはいかないので

以下、個人の感想と意見になる。

つまるところ、僕は研究室を「興味」一辺倒で選んだのだ。 第二希望以下は、授業を受けていて興味があるなと思ったところを中心に幾つか選んだ。

先ほど、「B4の1年間なんて短いんだから、できるだけ楽なところを選んだほうが良い」という 意見をサンプルとして挙げたが、僕は逆だと思う。 B4の1年間なんて短いんだから、できるだけやってみたいところに行ったほうが良いと思うのだ。

卒論配属はキャリアの第一歩、と述べた。 逆に言うと、卒論配属の結果が、その後の人生に大きく影響してくる可能性もあるということだ。 人生の進路を決めるなら、自分の興味で選んだほうが楽しそうじゃないだろうか。 ちょっと興味あるな、という分野にのめり込んで、いつの間にかその道の権威になれるかもしれない。 あるいは途中で興味を失っても、就職できっと分野は変えられる。 弊研の先輩たちは、研究分野とはあまり関係ないところに就職していった。 だから、興味重視で検討するのも、言うほどリスキーではないんじゃないか、と思うのだ。

B4の「たかが1年」だもの。好きなことやろう。

おわりに

など偉そうに言ってきた。 あまり内容はないし、役に立ちそうにないが、随筆だと思って読んでもらえたら幸いだ。

まああの、僕を知っている人ならわかると思うんだが、 今年一年間(まだ終わっていないが)の研究室生活はマジで厳しかったしつらかったししんどかった。 それでも、自分の興味のため、やりたいことのためにここを選んだのだ、と思えば、 ギリギリ堪えられた。あと3ヶ月もギリギリ堪えていきたい。

僕は来年から違う研究室に入る。 今度は、修士と、うまく行けば博士もここで過ごす。 また、学部で配属されるよりも興味がある分野の研究室の幅が広がった。 以上から、僕は、今回は環境(具体的には教授の評判)もだいぶ加味して、研究室を選んだ。 今度はもう少しマシな研究生活が送れることを祈っている。